GTLというとGTRを思い浮かべ、なにやら自動車の名前のようですが、これは今後注目を浴びそうな天然ガスを液化する技術です。主に輸送・貯蔵を目的にしたよく聞く液化天然ガス(LNG)とは違い、こちらは常温で利用出来る技術です。
このGTL(gas to liquidsの頭文字 ガス液化油)の技術はその昔、1923年にドイツで発明され、過去に実用化された経緯がありますが、主にコスト面で採算が取れずに断念されています。
ところが、主に最近の技術革新の進展でコスト面のネックをクリアーして脚光を浴び始めているようです。
精製された液化油は主に灯油や軽油になるようですが、暖房用に使う灯油が豊富にあれば大変いいことですし、軽油があればディーゼルエンジンを動かすことが出来ます。
その昔、ディーゼルエンジンを搭載した自動車は音がうるさく、排気ガスも問題でしたが、これまた技術革新の進展で、静音、低公害化が図られていて十二分に活用出来ます。
さて、5年後からの日本のエネルギー事情を考えると、アメリカのシェールガス革命の進展、ロシアからの天然ガス、そして日本のメタンハイドレート革命や藻から石油を造る技術などにより、相当大幅な変化が見込まれ、世界のパワーバランスも変化し始めるでしょう。
長年、資源小国で悩まされてきた日本が、上記の多彩な調達先とGTLも含めた新しい技術により、エネルギーに困らない資源大国としての日本が将来出現しそうです。あとは、CO2を封じ込める技術の開発が待たれるところです。
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