今日、お彼岸のお墓参りに行ってきました。日中やや日差しが強く、暑く感じました。暑い日はもう何日もなさそうです。一気に秋が深まりそうです。
今回から、何回かに分けて藤井袋物の仕事の内容について説明していきたいと思います。トップバッターは、使っている糊についてです。デパートの職人展などで、実演中によく聞かれます。
袋物を製造するお店では、たいてい次の3種類の糊がポピュラーです。白い色をした「サイビノール」、黄色い色の「ボンド」、それとゴム糊です。そして、それぞれを部分や工程ごとに分けて使用します。適材適所です。
サイビノールは、乾くと半透明になるビニール系の接着剤で、多くの袋物の職人さんが使ってます。柔らかい100番の糊と、ちょっと硬めな600番とあり、職人さんの扱う製品や使う場所によって分けて使われているようです。うちは、主に100番を使います。
ボンドは接着力が強力で、普通、くっつけるもの同士の両面に付け、乾いてから貼り合わせます。但し、革の表面同士にボンドを付け、貼り合わせるのは、ボンドですら無理です。革の塗装面から下に、ボンドが染み込まないからと思われます。もっと強力な高性能接着剤があるかもしれませんが、袋物の職人さんはうちも含めて使いません。
ゴム糊は、自転車のパンク修理で使われているものと同じかと思います。やはりボンドと同じように、両面に付け、乾いてから貼り合わせます。接着面に空気さえ入らなければ、ボンドに優るとも劣らない性能です。但し、付けた面を空気にさらし、数日放置すると糊気が飛んでしまい、付きが悪くなります。鮮度が必要です。使い方ですごく便利な接着剤です。
素材によっては、どの糊でも手におえないものがあります。事前に試験してみてから使うようにしています。それでは、このへんにて失礼いたします。
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