上は、天保8年(1837)~嘉永6年(1853)頃の「類聚近世風俗志」という、袋物に関することを集めた古文献です。類聚(るいじゅう)とは、同じ種類の事柄をそれぞれ一ヶ所に集め、分類・編纂することとあります。(新明解国語辞典より)
右下に「火用心の煙草入」、(煙の字は文献では火へんに因です)とあります。これは、紙に油をひいて、火用心と墨書きし、旅行などに煙草入れとして用いたとあります。江戸時代の旅人が、これを腰から提げている情景が目に浮かぶようです。
下に掲載した物は藤井袋物店で製作した、火の用心の腰提げです。文献の物とは違い、素材も牛革で、付属品にファスナーを使用している現在の製品ですが、昔から存在していた袋物であることは、間違いないようです。他にも興味深い記述がありますので、折をみましてご紹介いたします。
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