髪の毛がのびてきたので、夕方散髪に出かけた道すがら、サイレンが聞こえ、消防車が赤い回転灯をつけて何台か止まっているのに遭遇しました。やじうま根性でそちらのほうに向かうと、途中で知り合いの消防団の人が出動服に身をかため、ヘルメットをかぶり、まさに現場へ向かうところに出会いました。「ご苦労様です」と声を掛けると、「なべの空だきだってよ」と教えてくれました。
ところで、この「ご苦労様です」ですが、少し前、テレビでこの使い方について言っていました。それは、この言葉は仕事などで、目上の人が、目下の人の労をねぎらうときに用いるということだったと記憶しています。
そこで、先ほど声をお掛けした消防団の人は目上の人なので、誤用法ということになります。ですが、これから、現場に向かうシチュエーションで「お疲れ様です」はぴんときません。気になったので、例のごとく調べてみました。
まず、「御苦労」ですが、これは、苦労の丁寧語で、他人の骨折りを感謝する意を表す語。とあります。さらに、丁寧語とは、聞き手に敬意を表して、丁寧に言う時の言い方。とあります。(いずれも、新明解国語辞典より)
このような、意味説明から考えますと、くだんの年上の消防団の人にかけた「ご苦労様です」は、誤用法ではないような気がします。「御苦労!」、「ご苦労さん!」は論外ですが、状況に応じては、目上の人に「ご苦労様です」は使ってもさしつかえないように思いますがいかがでしょうか。それがだめだとすると、先ほどの場面ではなんと言ったらいいのでしょうか。ボキャ貧(ボキャブラリーが貧困)の袋物職人にご教授をお願い申し上げます。
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