左衛門橋通り沿いの、柳北公園前の台東区立中央図書館浅草橋分室でめぐり合った、その名もずばり「浅草」2冊です。
著者の堀切直人さんは、昭和23年横浜鶴見生まれの方ですが、ご両親が戦前に浅草寺観音堂(本堂のことだと思いますが)の裏手にお住まいだったそうです。
写真右側の、グレーの装丁の本から読み始めましたが、冒頭は「十二階崩壊」です。
「十二階」は1923年の関東大震災で8階部分から折れて崩落した「凌雲閣」のことで、現在の位置でいえば、浅草田原町、かどの交番の隣りあたりです。(と思われます、と推定にしておきます)追記、「浅草十二階」という本で調べたら、現在の浅草ビューホテルの国際通りをはさんで向かい側にあったようです。たいへん失礼いたしました。2010、3,6
そして、本文の中、震災後にその凌雲閣は、当時の軍隊によって爆破処理が行われたそうです。
事前に、凌雲閣の爆破処理は知らされていたので、大勢の人が見に集まったそうです。そしてその見物人の中に、杖をついたひとりの老人がいたそうです。
そして、爆破の後の瓦礫の山を見て、こうつぶやいたそうです。「ああ、これで浅草もきれいさっぱりだ」 その老人とは、二代目新門辰五郎さんだったそうです。
この本、冒頭から引き込まれ、時空を超えて当時の浅草へタイムスリップさせてくれます。文章も読みやすく分かりよく、なかなかすばらしい本です。図書館の散策もいいもんです。
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