例えば、釣り人と釣竿をつくる人の関係を考えたとしましょう。ある時、釣り人が「竿先のしなり具合がもうすこし柔らかいとなー」と思ったとします。そうするとそのフィーリングを釣竿に具体的に実現出来るのは釣り人ではなく釣竿をつくる人でしょう。
ひとり、ひとりの要望を取り入れてオーダーメイドで釣竿をつくるのが一番ですが、ある程度人々のまとまった意見・要望が竿先の柔らかさを求めていることが分かれば、それを釣竿づくりにいかすことが出来るでしょうし、使う人すなわち消費者のニーズも満たすことできるはずです。
釣竿をつくる人が日本中あるいは世界中を旅して竿先について訪ね歩いたら多くのデータが得られ、いいに決まっていますが、実際そんなことはまず不可能でしょう。ですが、完璧ではないにしろ、ソーシャルメディアを利用すればそれに近いことが可能です。ソーシャルメディア上に、釣り人と釣竿をつくる人の対話の場が出来上がるわけです。
アルビン・トフラーはその著書の中で、プロシューマー(生産消費者)という概念を述べていますが、まさに生産に関わる消費者をより身近に実現出来るのがソーシャルメディアではないでしょうか。使う立場の人が、ものやサービスをつくる立場の人の中に入り込むことによってよりいっそう洗練されたものやサービスが獲得出来るようになる。なんとも楽しい時代の到来ではありませんか。
さらには、釣竿をつくる人も釣りをして、釣り人とともに釣りの穴場情報などの関連したニュースや釣りの技術やコツまでもソーシャルメディアで共有することができ、まさに釣り談義に花が咲きそうです。
このように考えると、今後のソーシャルメディアの進化・発展は人間の生活に多大の影響を及ぼすのは間違いないでしょう。
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